瓦礫の中から見つかった傷だらけの和太鼓。
その前に立つのは「桜舞太鼓(おうぶだいこ)」を演奏する男たち。
「桜舞太鼓」とは、釜石市唐丹町(とうにちょう)に伝わる伝承芸能で
勇壮でありながら桜の散る美しさを表現した和太鼓の演舞です。
釜石の人々が彼らの演奏をいつも心待ちにして、応援している
地元の方に愛され続けてきた郷土芸能なのです。
今年3月1日に釜石市文化会館で演じた彼らは、その10日後。
太鼓や笛、大切に植えた桜の木も津波で流され、かけがえのない仲間も一人失いました。
瓦礫の中から探し出した太鼓の皮は、海水を吸い、
胴は傷だらけになってしまいましたが、それはまだいい方で、
半分以上は修繕も見込めないほどです。
29個ある太鼓のうち、見つかったのは14個。
その中でもかろうじて使えるものは10個しかありませんでした。
会長の佐藤さんは家も職も失い、一時は桜舞太鼓を解散しようと考えたそうです。
しかし、58年来の伝承を絶やさない為にも、
なにより被災地で桜舞太鼓を楽しみにしている人たちの為にも続ける事を選び、
7月27日に釜石市で行われる復興祭に出演することを決意しました。
今夜近くの小学校を借りて、3か月ぶりの練習が叶いました。
鉢をもった途端、皆の表情がスッと変わりました。
何より大好きな太鼓を、仲間と叩ける喜び。
太鼓への情熱が、リズムの響きと彼らの表情からはっきりと伝わってきます。
それはすばらしいものでした。
「自分たちの太鼓を待っていてくれる地元の人々がいる」
「亡くなったメンバーのためにも、続けなくては」
腹を決めて、借金をしてまで必要最低限の太鼓を購入し、
今日の練習をようやく迎えたのです。
彼らの刻む桜舞太鼓の変則的なリズムは、
かならず立ち上がってみせるという力強い決意表明のように聞こえました。
しかし、活動存続は非常に厳しい状況です。
まず、太鼓や笛が足りません。購入するにはそれなりの資金が必要になりますが
家も仕事も失った被災生活では、到底出せるものではありません。
残った太鼓も、海水で傷みが激しいため、皮がいつ破れてもおかしくない状態です。
地元の人々が支援をしたいと思っても、周りの皆も被災者なのです。
太鼓運搬用の車も流されてしまいました。
練習は近所迷惑にならないよう、人里離れたダムの近くで行っていますが、それを運搬するトラックやワゴンがありません。津波以前まで使っていたトラックは、太鼓に情熱を注ぐ仲間たちそれぞれが、練習のために個人で購入していた車だったのです。
「7月の復興祭りに参加するためには、最低でも週2回は練習の場を作らなくては間に合いません」と佐藤さん。楽器が揃わない、いっぽうで3か月のブランクを埋めなければならない。
厳しい状況の中でも、地元の人々を元気づけるために何としてでもという想いで、活動に取り組んでいます。
左は、被災した唐丹町の様子。
津波は堤防を越え、標高20〜25m前後の高台にある家々までのみこまれました。
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桜舞う季節、唐丹町の春はこの「桜舞太鼓」とともにやってきます。
50年以上にわたり地元の人々に愛され続けてきたこの太鼓の演奏は、辛い悲しみを抱えた今こそ、釜石の町の復興と人々の心の支えになるに違いありません。
………………………………………………………………………………………………
この「桜舞太鼓」復興を一緒に支援して頂ける方を募集します
◎「二尺の締め胴太鼓」募集
譲って頂ける太鼓や安価でお譲り頂ける太鼓がありましたら、ぜひお願いします
◎「六穴 六本調子の篠笛」募集
現在のところ2本不足しています。ぜひお願いします
◎「ワゴン車」もしくは「屋根付きトラック」募集
太鼓を一度に運べるトラック(2tなど)やワゴン車をご提供、もしくはお貸し出し頂ける方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。まずは7月のお祭りが終わるまでのお貸し出しでも結構です。
◎支援金募集
太鼓や笛などの楽器の購入、活動費への支援金も募集しております。
<<ご不明点・ご相談などもお気軽にご連絡ください>>
支援希望/ご質問などの連絡先はコチラへ… contact@biodieseladventure.com
ぜひ皆様のご協力をお待ちしております。
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