平泉と菜種油 〜歴史を繋ぐ火を、ナタネ油でともす〜

岩手の世界遺産・平泉中尊寺。本堂で絶やさず灯される「不滅の法灯」の燃料の一部は、じつは地元産の”ナタネ油”なんです。町民有志「平泉なのはな会」が2年前から菜の花を栽培して搾油しています。今年も昨日の22日に奉納されたそうです。

僕がこの活動を知ったのはつい先日。搾油をしている際にたまたま会の千葉さんにお会いできる機会がありました。

「てんぷら油」や「植物油」と言えば、現在手に入るほとんどのものは輸入品が95%以上を占めていて、寂しいことに地場の味を楽しめる油はごくごくわずかです。しかし電気のない時代から地場の植物油は、「食用」に、そして「灯り」をともすためなどに大切に絞られ、使われてきました。

土地それぞれで地元産の植物油が、様々な形で継承の危機を迎えながらも脈々と受け継がれる歴史を、そして人の輪を繋げているのですね。

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(9/23 岩手日々新聞より)

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